帽子 西条八十
--母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?
ええ、夏碓井から霧積へ行くみちで、
渓谷へ落としたあの麦稈帽子ですよ。
--母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
僕はあのとき、ずいぶんくやしかった。
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
……。
西条八十(さいじょう やそ)先生。
みなさんはご存じですか?
この有名な詩だけではなく、童謡や歌曲の歌詞も作りました。
♪かなりや (歌を忘れたかなりやは~)
♪お菓子と娘 (お菓子の好きなパリ娘~)
曲名や出だしの歌詞でピン!と来たかたも多いでしょう(^^)。
私も大好きな曲です。
しかし…今日はこの曲ではなく、「帽子」が頭の中でリフレインしています。
西条八十先生…!
「帽子」の中の「僕」は”ずいぶんくやしかった”、と…。
しかし、先生。
毎年くやしいのは、我が家では私なのです。
困るのは自分なのに、毎年新調する麦わら帽子を落としたり、
わざと落としたり投げたり折ったり隠したりする人がいるのです。
今年も、新調したのにもうよれよれになって、
夏の終わりまで持ちこたえそうにありません。
母としては、
「せっかく買ってあげたのに~!」
というむなしさを減らすべく、シンプルな”つば広の帽子”を買ってきて、
可愛いアイテムでアレンジしています。
この帽子は、すでによれよれのがいつ無くなっても困らないように、
予備として作りました。
連日の熱帯夜の中、母の夜なべは続きます。
まさか、一夏で二つ用意する羽目になるとは思いもしませんでした。。。
西条八十先生。
明日は、明るく♪お菓子と娘♪を歌いたいものです。