ムジカノーヴァ2017年1月号より、隔月で厚紙付録を担当いたしました。
掲載された付録は1月、3月、6月、7月、9月、11月と6回分です。
ここでは、どんな付録を掲載しているかをご紹介いたします。
ピアノ講師として生徒さんと向き合ってきた日々の中で、たくさんの教具が生まれました。
生徒さんの個性や特性は、それぞれ違いますね。理解度や進度も一様ではありません。
こちらができるだろうと思っていても、ある子にはその通りできて、またある子にとってはその方法ではどうしても理解できない場合もありますね。
小さなつまずきであっても、その子にとっては大きなつまずき。
その壁を乗り越えないで次の段階へ進めても、やはりまたつまずくことに繋がったりもします。
ですからその壁を、そのハードルを少しでも低く、”これなら飛べる””これならできる”と感じられるように、その手助けになればいいなと思います。
その手助けを具現化したものが、私の作った教具です。
生徒さんに使う前に良く吟味し、あるいは使っていく中で改良を加え、本当に必要なものに発展させています。
レッスンで使う教具というものは、ただ楽しければいいものではないですし、その時だけ興味を惹くだけのものになってもいけない。継続的に使用でき、効果を上げるものでなければなりません。
”音楽の学び”へとつながるものが、教具と呼べるのではないかと考えています。
その思いに共感してくださり、私の教具をより多くの人に伝えて欲しいと厚紙付録を任せてくださった、ムジカノーヴァ編集部に心から御礼申し上げます。
◆厚紙付録◆1オクターヴ幅の「音の階段~平面バージョン~」
立体の「音の階段」の平面バージョンを作りました。
音の高低や、音の並び順を視覚的に理解できるようにする教材です。
「音の階段」~平面バージョン~
①ひらがな/②カタカナ…の2タイプ。自立パーツ付き。
使っていただく方々に、よりわかりやすいように解説のためのスペース(半ページ分)を特別に取っていただきました。
「全国の先生方に、本当に使える教材を提供したいのです。」
編集部の方々の熱意に感動し、私も激しく同意。
構想を練り、図面を引き、改良をし、できました!
私と編集部とデザイナーさんの渾身の作♡
もともとは立体で作った「音の階段」。
立体の「音の階段」は、私のSHOP「やすこ先生のお店」で取り扱っております。
その特徴と良さを活かしつつ、平面で表現するにはどうしたら良いか。
平面でも使える教材にするには?
また逆に、平面なら可能なこともあると考えてそのアイデアを活かしました。
たくさんの方にぜひ使っていただきたいです。
ムジカノーヴァ2017年1月号はこちらから♪。
私のブログでも詳しくご紹介させていただいています。ご参考までにどうぞ。
◆厚紙付録◆1オクターヴ幅の鍵盤シート&階名カード
実際のピアノと同じ大きさの1オクターヴ幅の鍵盤シートと、鍵盤の上に並べられる階名カード。詳しい使用法も掲載しています。
3月号の厚紙付録は、1オクターヴ幅の鍵盤シートと階名カード。
この鍵盤シート&階名カードは、「音の階段」と連動させるために生まれました。
鍵盤上での“可逆的な音の並びへの理解”を促します。
実際のピアノと同じ大きさの1オクターヴ幅の鍵盤シートと、鍵盤の上に並べられる階名カード。詳しい使用法も掲載しています(98、99ページ)。
この鍵盤シートは「音の階段」と密接な関係にあるため、その点も含めて書かなければこの教具の本当の効果が伝わらないと思いました。その結果、原稿が長くなってしまいました。
紙面スペースの関係ももちろんあるでしょうから、カットされて当然と思っておりましたのに、編集さんの深いご理解とご配慮を賜り、私が書いた原稿をカットせず全て掲載していただきました。
詳しくはムジカノーヴァ2017年3月号をどうぞ→こちらから。
また、私のブログでもご紹介しております。ご参考までに♪
昨年から私の教室で始めた「じぶんをほめようキャンペーン」を基盤に、デザイナーの駿高先生(ムジくっちょんの生みの親でいらっしゃいます)のお力をお借りして、素敵なシートができました\(^o^)/!
いつもは切ったり貼ったり組み立てたりの付録ですが、今回は組み立て不要です。
こんな付録もあっていいかなと思いました。
台紙の素材も、編集部こだわりの”貼って剥がせる”ものです。
剥がす必要はない方はそのままに。
大変良質な紙質ですので、生徒さんたちが毎日シールを貼っていくのにも大変丈夫で使い勝手も良いかと思います。
全国の先生方の裁量で、それぞれに活用法を編み出してお使いいただけたら嬉しいです。
解説も書かせていただきました。(108ページ)
どんな経緯でこのシートを発案したのか…読者のみなさまに伝われば幸いです。
可愛いムジクっちょんと一緒に、自分を褒めて自己肯定感をアップしてもらえたらいいなと思います。
※ムジカノーヴァ2017年6月号はこちらから。
ご参考までに、私のブログ記事もどうぞ♡
☆「じぶんをほめようキャンペーン」シート・ムジカノーヴァバージョン
◆厚紙付録◆
指番号トレーニング・どうぶつセット
指番号を覚える前の準備として、小さな子どもたちの大好きな動物のイラストに合わせて、5指をコントロールする練習をするためのレッスン教材です。
「指番号トレーニング・どうぶつセット ムジカノーヴァバージョン」は、
私のSHOP「やすこ先生のお店」で販売しております「ゆびばんごうつみき・どうぶつ
セット」を厚紙付録用に改良致しました。
どなたにもできる「切る、貼る」作業のみで、良い教材をご提案したいと思いました。
教材というものに求められるものは、即戦力を持ったもの。
生徒さんの心をぐっと掴むだけではなく、長く継続的に”使える”ものでなければ
いけません。
有効な学びが得られるものであるかどうか。そこが重要かと。
興味も一過性で、ただ可愛い&楽しいだけでは教材とは呼べない…そんなふうに
心に念じながらいつも製作しています。
「ゆびばんごうつみき・どうぶつセット(オリジナル)」は私が考案し、試行錯誤を
重ねて生まれました。
立体の指輪、マグネット、ボード、指番号積み木、解説、全て含めて1セットです。
ちなみに、材料に使っている動物のパーツはこのお弁当ピックです。
指輪、マグネット、指番号積み木に貼り付けるパーツにするために、
余分な部分をカットし、研磨して使用しています。
「ゆびばんごうつみき・どうぶつセット」を実際にレッスンで活用してくださっている中嶋恵美子先生から、
「この発想がスゴイね!誰もお弁当ピックを使おうとは思わないんじゃない?」
とビックリされました。私の中では特段スゴイとは思っていなかったので、そう言われて私のほうこそビックリした次第です。ですので、ここにちょこっと製作秘話として載せました。
さて、話を本線に戻しまして。
NETSHOPで扱っている品も、厚紙付録用に改良したものも、目的はただ一つ。
”生徒のより深い学びと理解につながるために”…その一心で作ったものです。
実際にレッスンで生徒に使ってもらい、改良を重ねてきたものだからこそ、自信を
持ってご提供できると考えています。
教材は、即戦力とともに幅広い活用方法を備えるものでなくてはならない。
全国の先生方が、一人一人の生徒さんを目の前にレッスンするとき、その生徒さんの
理解度に応じてその場で、ささっとアレンジして使えるように。
ケースバイケースで用途が広がるように。
同じ教材を毎週使うにしても、ちょっとしたアプローチの違いで、生徒さんの食いつき
はその都度違って来ますから。
このオリジナルの「どうぶつセット」を基に、その長所を最大限に紙面に活かして
作ったのが今回の厚紙付録です。
①手形シート(表→どうぶつのマークのみ、裏→指番号のみ)
②どうぶつカード(裏面は指番号)
③どうぶつ&指番号指輪パーツ
の3点セット。
☆82ページに解説を書きました。良くお読みいただき、先生方のアレンジを加えて
レッスンの現場で活かしてくださいね。
動画①上手な指輪の作り方
動画②活用例
もQRコードで載せています。
上手な指輪の作り方動画に合わせて、写真でも作り方をわかりやすく説明。
上手く作ると、紙でもかなり丈夫に指輪ができるんです。どなたでも作れますよ。
作り方を良くご覧になり、ぜひお試しください。
今回も、みなさんのレッスンのお役に立てますように。
※ムジカノーヴァ7月号はこちらから。
※オリジナルの「ゆびばんごうつみき・どうぶつセット」についてはこちらから。
私のブログも合わせてお読みいただけたら嬉しいです。
☆指番号トレーニング・どうぶつセット ムジカノーヴァバージョン
♪♪ ご参考までに ♪♪
「ゆびばんごうつみき・どうぶつセット ムジカノーヴァバージョン」について 解説
~5本の指を自在に動かすために~ 佐野安子
この教具はピアノを習い始めの生徒さんのために生まれました。定型発達児だけではなく、発達障碍児にも比較的受け入れられやすいのも特徴です。数字の概念が理解できない段階の生徒さんでも、絵と絵をマッチングさせれば楽しく指を動かせるでしょう。いずれ反射的に指を操作できるように、この教具を活用することで指番号を覚える前段階の準備をしていきます。自然に抵抗感なく使える教具だと思います。
5指のコントロールは難しいですね。脳からの命令通りに指を即動かせるようになるまでには時間がかかります。
まずは、小さな子供たちの大好きな動物さんを目印に、指を1本ずつ動かしてみる。
指先に意識を集中させることは、ピアノを弾くために非常に重要なことですね。しかし、脳からの命令通りに指を即動かせるようになるまでには時間がかかります。ゆっくりと時間をかけて、生徒自身が納得できるペースで、が良いでしょう。指導者が考えるほど、子供の反応は速くない場合も多々あります。覚えが早い子もいますが、ゆっくりさんでも指導者側は慌てず急がずに対応することが重要です。
ムジカノーヴァ9月号の付録ができました♪
本当に役立つ教具ってどんなものだろう?
生徒さんのことを考えるのと同じくらい、そのことを考えている気がします。
「順序立てボード」
これは、レッスンの課題を生徒が自分で把握できるようにし、学習意欲を引き出すための
教具です。
ホワイトボード用マーカーで直接記入できます。
ブログには、作り手視点空の補足も書きました。ご覧くださいませ。
この付録の原型は、私が作った教具「順序立てカード」。
めくりタイプのものを今回、ムジカノーヴァのために平面教材にアレンジ。
アイデアを新たに出しては推敲を重ね、「順序立てボード」が生まれました!
詳しくはムジカノーヴァ9月号をご覧ください♪
◆付録 2段と3段の音の階段(佐野安子)
「1オクターブ幅の音の階段(ムジカノーヴァ1月号付録)」を使っての学びを助け、
音の並びや高低の理解を深めます。
~解説より抜粋~
1オクターブ幅の音の階段(ムジカノーヴァ2017年1月号付録)を使ってのアプローチを補助する教具です。
音の並びと高低の理解をより深めます。1オクターブ幅の音の階段と同じように、今回の2段と3段の音の階段も幹音のみを学びの対象にしています。また、音の高低が理解できれば良いのであえて全音半音の区別を階段の段差に反映させていません。
全音・半音を区別する、また派生音を理解する前に覚えるべきなのが、
〇ピアノでは左から右へ向かって音が上がり、右から左へ向かって音が下がるということ
〇音の並び順は決まっていること
この2点ですね。教える側には当たり前でも、生徒にとっては当たり前ではないことが多いもの。当たり前でないならなおさら、スモールステップで学びを促していくのがベストでしょう。一度にたくさんの情報を処理するのは幼児や発達障碍児には難しいことです。全音・半音の区別や、派生音については少し横に置き、まずは上記の2点を理解してもらうためにこれらの音の階段を使います。
幼児や発達障碍児にとっては、「少しずつ教える」「少しずつ覚える」ことが大切ですね。
この教具も、そんな「少しずつ」の学びのお手伝いをさせていただけると思います。
「少し」がたくさん集まれば、大きな力になります。
指導する側も、指導を受ける側も、焦らず確実に学びを得られますように。
詳しくはムジカノーヴァ2017年11月号をご覧くださいませ。
付録本体だけでなく、解説と実践例も図入りで詳しくわかりやすく説明しております。
今回も、ホワイトボード用のペン使用可です♪
先生方の使いやすいようにいろいろ工夫してご活用ください。
ブログ記事もご参考に→『2段と3段の音の階段~ムジカノーヴァバージョン~』
もともとは立体で作った教具ですが、付録にするために平面にしました。
立体であろうと平面であろうと、学ぶうえでの支障はありません。
音が視覚化されて目の前にあると、言葉も理解力もまだ未熟な子供たちでも非常にわかりやすく学べるようです。
今回の付録も、全国の先生方のお役に立てましたら幸いです。